インテリアにおけるラグの役割とは?

ラグは、住まいはもちろんのこと、オフィスやホテル、店舗などの商業施設、公共施設など、人が過ごす空間に彩りと華やぎ、心地良さ、落ち着きを与える役割を担います。

海外とくにヨーロッパでは、自宅のインテリアを考えるとき、はじめにラグを決め、そのあとに家具を検討していくケースが少なくありません、ラグがなければリビングやダイニングのインテリアが成立しないと認識されるほどです。なぜなら、その国や地域の社会的・文化的背景、歴史などから、無意識のうちに“ラグの価値”が浸透しているからです。

それを表す映画のワンシーンがあります。映画界の巨匠、フランシス・フォード・コッポラは「ゴッドファーザーPart2」において、若きヴィトー(ロバート・デ・ニーロ)が、クレメンザと共に赤い絨毯を盗み出し、家に持ち帰って敷くと、家族が大喜びするという場面を描きました。このことから、ヨーロッパではラグが珍重されるアイテムであるとともに、彼らのステータスを表すものの一つであることがわかります。

残念ながら、現在の日本では、欧米のようにラグを重んじる価値観は希薄なようです。そのため、使用目的が明確なソファやテーブルは必要不可欠なものとして捉え、購入する際にはデザインや素材、品質、サイズなどにこだわるものの、ラグはそうではなく、見た目や価格で選ぶ、もしくは購入に至らない人も多いようです。

でも、一度ご自身の住まいを俯瞰してみてください。もし、床に何も敷かれていないとしたら、少し寂しくはないでしょうか。せっかく家具にこだわったなら、ラグにもこだわりたいところです。

豊かな色彩とテクスチュアで楽しむ
“足元のおしゃれ”

ラグはファッションにたとえると「靴」のようなものです。ファッションにおいて重要なのは、トータルコーディネート。足元のおしゃれは必要不可欠で、コーディネートの要です。例えば、上質なスーツやドレスを着ていても、それに見合う靴を履いていないとしたら、ましてや裸足だとしたらどうでしょうか? これは、インテリアの世界でも同じです。

ラグは平面的なアイテムです。だからこそ、色や柄、テクスチュアが多種多様に発展を遂げてきました。たとえば、ウールやリネン、コットンなどの素材、ウーブン(織り)やタフティングなどの製法、そして色、デザイン。これらを組み合わせることで、多彩な表情を作り出すことが可能です。

インテリアを構成する要素のなかでも、ラグはファッショナブルな存在です。とくにラグは、空間のなかで大きな面積を占めることが多いはずです。どんなに素っ気ない空間でも、1枚のラグによって彩りが添えられ、奥行きのある空間に一変することでしょう。“足元のおしゃれ”にまでこだわることが、インテリアコーディネートの醍醐味なのです。

是非、“足元のおしゃれ”にこだわって、住まいのコーディネートを楽しんでください。